”母の日に 母の殺意を語る僧”
捨蚕(平成十三年六月)
ぼそぼそと、その僧は幼いときの記憶を語りはじめました。
一瞬の、殺意に満ちた母の目が、忘れられないと言いました。
やがて、お母さんは亡くなり、
僧侶である祖父のもとに預けられたそうです。
小さな黒衣を着た小坊主さんは、
村の人気ものでした。
いつもお祖父さん僧侶のあとについて托鉢をしていたそうです。
二人は菜の花畑が続く丘のうえの、阿弥陀堂にすんでいました。
道端に小さなお地蔵様がありました。 (続く)
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