本町に名曲喫茶あすなろが、オープンしたのは、昭和32年7月でした。
昭和38年7月、本町の道路拡張にともない閉店しました。
昭和40年六月、鞘町に開店しました。
そして、昭和57年に閉店しました。
”優美かつ壮麗な本町店と、
直線と無機質なコンクリートが創りだす
知的かつ硬質な雰囲気の鞘町店”
私の知ってる、”あすなろ”はもちろん、この鞘町店です。
それも、せいぜい5年間ぐらいのことだつたんですね。
学陽書房と天田歯科の間にある、三階の鉄筋コンクリートの建物でした。
時々、奥の鑑賞室でガラス越しに小さな庭を見ながら、
多分、バッハの無伴奏チェロで、コーヒー色した、マッチ箱に書かれた、”六月の詩”を 観ている自分の、無残なそれでいて高慢な姿を、想いだします。
九蔵町が生んだ小説家、金井美恵子さんが、アルバイトを、少しの間してましたね。
もちろん、賞をとる前ですが、気難しい顔をしてバイトしてました。
ところで、この写真は”将軍の孫”の周りにある、石のベンチです。
観ていたら、”あすなろ”のことを、急に思い出しました。