嘉永五子八月二十二日
信州佐久郡塩野村真楽寺格末
同郡中山道小田井宿宝珠院発足ニテ
郷原村自性寺法類ニ付止宿
同二十三日安中妙光院登山
同二十四日当寺隠居江初之対顔
弐本入扇子箱 菓子料金百疋
(北野寺所有 井伊家御継目記より)
安中市下後閑に北野寺という寺があります。
この寺の住職の快秀さんが隠居しました。
後任に信州小田井宿の宝珠院の住職である、
心海さんが選ばれました。
この心海さん生まれは安中の嶺村でした。
1852年8月22日に小田井宿を早朝に出発、
追分宿・沓掛宿・軽井沢宿・碓氷峠を越えて、
坂本宿・松井田宿を通り郷原村に着きます。
8月22日の何時に郷原村に着いたかは分かりませんが、関所の閉門が暮れ六つ(午後6時)ですので、
それ以前に横川を通過したのは間違いありません。
翌日23日安中の本寺である妙光院に挨拶し、24日に北野寺隠居快(31世)と対面してます。
その時に扇子2本と銭2500文を手土産としてます。
さて心海さんこのあとが大変です、江戸の井伊屋敷まで挨拶に行かなければなりません。
その話は、またの機会にお話したいと思います。